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女子日本代表:大神雄子氏(JBAアンバサダー)大会総括『切磋琢磨させる環境が必要──2年後はあっという間に来てしまう』

 AKATSUKI FIVE 女子日本代表は残念ながらベスト12で敗れ、「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2018」の戦いが終わってしまいました。BS-TBSの現地レポーターとして女子日本代表の奮闘とともに、今大会を目の当たりにしている元日本代表キャプテンの大神雄子氏。JBAアンバサダーとして女子日本代表への思い、そして世界のバスケットボールスタイルの変化を感じ取っていました。

それぞれ出た選手がコートで全力でプレーし、チーム全員で戦うことができていたのは事実です。しかし、もがいている選手が多かった現状を見れば、それは経験の差なのか、コンディションなのか、そこは見ている立場としては分かりませんでしたが、少なからず選手たちもいろんなことを感じていたのではないでしょうか。このような大きな大会に向けてピークを合わせていくことの大切さを、選手自身が知ることも大事なことです。そこはポジティブに捉えて欲しいです。

もともと3Pシュートが日本の武器であり、それに対して中国の武器は高さを生かしたインサイドプレーでした。しかし今大会での中国戦の勝因は、精度の高い3Pシュートだったわけです。トム(ホーバス)ヘッドコーチも、インサイドとアウトサイドをバランス良く攻められてしまうとなかなか難しかった、とインタビューでも話していました。でも、そのスタイルをこれまで証明してきたのは日本です。中国のみならず、セネガルやナイジェリアのアフリカ勢の躍進を見ても、すごく速いバスケットをしています。ナイジェリアのヘッドコーチは、元チャイニーズ・タイペイ代表を率いたオーティス(ヒューリー)ヘッドコーチ。4クォーター制になり、ショットクロック24秒になったことでアジアや日本の速いバスケットスタイルの必要性が高まっており、それを最初に表現したのも日本です。だからこそ、日本のバスケが好きだ、見ていておもしろいと、海外の方々から賞賛されるのではないかと現地にいて感じています。

ーーベルギーもトランジションバスケットが主体であり、スペインに勝ったのもそのスタイルが世界に通用したとともに、さらに大きなチームが走ってることも脅威に感じています。世界のバスケット情勢はどう見えましたか?

気をつけなければならないのは世界的にトランジションが速く、走りはじめている傾向にあるということです。そのときに、日本は今のスタイルに何をプラスしていくかを考えていかなければなりません。そこを求めていかないと、高さというアドバンテージがあるチームには引き離されてしまいます。

選手でいるときは自分たちのことや、対戦相手の情報だけをアナリストさんが編集した映像を見ながらスカウティングをするくらいしか時間はありませんでした。今回はいろんな試合をテレビブースという良い場所から観戦することができ、日本の良いところもありますが、世界との差を感じる部分も見られました。長所短所はどのチームにも当てはまることです。今は第3者の立場で見られているからこそ、日本と世界との差をすごく感じています。危機感を持って取り組まなければ、あっという間に2年後は来てしまうと思いました。

ーーすでに2年を切っている東京オリンピックへ向け、女子日本代表の成果と課題は?

今回は初選出された選手も多く、このFIBA女子ワールドカップは想像するしかなかったと思います。はじめて世界との真剣勝負を戦えたことは絶対に自信になりますし、経験値を積めた選手が多くいました。それでOKとは言いませんが、次につながることを選手だけではなく、チームや協会などまわりが作っていかないと、本当にあっという間に2年は過ぎていってしまいます。

中国戦後にテレビ中継でも言いましたが、中国の女子プロリーグ「WCBA」にはアメリカ代表選手をはじめとしたWNBA選手が多くおり、国内リーグから世界No.1選手と戦えていることが自信になっており、それが今回の結果にも出ました。WNBAに挑戦する選手もおり、普通に英語を話すことができています。そういうところから差が出てきてしまう、という話をさせてもらいました。だからこそ、Wリーグがしっかりしないといけません。

ーー2011年大会時、大神さんはフランス代表のヘッドコーチが務めるクラブへ来ないかと直接オファーを受け、この女子ワールドカップが世界で活躍できるチャンスであることを目の当たりにしました。

そうなんです。本橋(菜子)選手や宮澤(夕貴)選手など今大会で活躍した選手たちが海外に行くことも必要です。比江島(慎)選手(オーストラリアNBL「ブリスベン・ブレッツ」)のような選手が出てくることを切に願いします。逆に、今大会に出ている世界のトップ選手をWリーグに入れることの方が必要です。国内リーグから世界と切磋琢磨させる環境が必要であり、選手たちは「これではダメだ」という危機感を身をもって感じているわけです。

危機感は選手だけが感じるだけではダメです。Wリーグやそこに所属するチーム、協会も含めて感じて欲しいです。大人たちがしっかりと支えていかなければいけないことは、声を大にして伝えたい。それがアンバサダーの仕事でもあります。

女子日本代表とともに、日本バスケ界を熱く支える大神さんのアンバサダーとしての活躍にもご期待ください。

今日からFIBA 女子ワールドカップは決勝トーナメント本戦がスタートし、ベスト8が出揃う準々決勝が行われます。世界との差をこれ以上開かれないためにも、敗れた女子日本代表選手たちは会場でライバルたちの戦いをしっかり目に焼き付けます。

日本戦を中継したCS「フジテレビNEXT」「BS-TBS」「DAZN」でも、決勝トーナメントの模様が放送されます(放送カードや日程は各サイトにてご確認ください)。

ここで活躍する多くの選手たちが、2年後の東京オリンピックにやってきます。世界のスーパースターの活躍を、今から注目しましょう。

■準々決勝

11:30 アメリカ vs ナイジェリア
14:00 オーストラリア vs 中国
17:30 ベルギー vs フランス
20:00 カナダ vs スペイン
※現地時間

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